芸能人やモデルも愛用するヘンプシードオイルにはどのような効果があるのでしょうか?
この記事では、栄養面・健康面・美容面とそれぞれ分けてスーパーフードと呼ばれるヘンプシードオイルについて解説します。
目次
ヘンプシードオイルとは?
直接摂取するだけでなく、肌に塗布することで美容面にも効果があると言われるヘンプシードオイル。
栄養価が高いことで知られていますが、そもそもどのようなものなのでしょう?
ヘンプシードオイルはヘンプの種子から抽出されたオイル
スーパーフードとしても、世界的な注目を集めているヘンプシードオイルは、大麻草(ヘンプ)の種子(シード)から抽出された純粋な油です。
原料となる麻の実は、実は七味唐辛子の材料として日本人にもなじみがあり、ヘンプオイルとしても知られるこの油は、その栄養価の高さから注目を集めています。
CBDオイルとの違い
CBDオイルもヘンプオイルも、同じ大麻草に由来していますが、どちらも依存性や中毒性はありません。
項目 |
CBDオイル |
ヘンプオイル |
主な成分 |
CBD(カンナビジオール)とその他のカンナビノイドなど |
ミネラルや必須脂肪酸、タンパク質(CBDは含まれていない) |
抽出方法 |
大麻草の花、葉、茎、種子等から抽出 |
ヘンプシード(麻の種子)のみから抽出 |
製品の製造方法 |
フルスペクトラムとブロードスペクトラムの2つがある |
ヘンプシード(麻の種子)抽出される植物油を利用 |
主に期待されている効果 |
主にリラックス効果 |
栄養面の効果大。炎症を抑える作用など美容や健康にも |
使用方法 |
舌下に垂らして摂取やコーヒーなどの飲料や食品に混ぜて摂取する |
食品用の油として摂取の肌に塗る |
CBDオイルはCBD(カンナビジオール)が含まれた商品として販売されているオイル製品を指します。
CBDは、大麻の花、葉、茎、種子など大麻の様々な部位から抽出されます。
一方、ヘンプオイルはヘンプシード(麻の種子)抽出される植物性の油で、CBDやTHCなどのカンナビノイドは含まれていません。
しかし豊富に栄養素が含まれており、栄養素としては鉄や亜鉛、マグネシウムなどのミネラルや必須脂肪酸のオメガ3、オメガ6、アレルギー性の低い良質なタンパク質(アミノ酸)などを含んでいます。
ヘンプシードオイルと亜麻仁油の違い
ヘンプシードオイルは、大麻の種子から抽出された油で、必須脂肪酸のバランスが理想的です。特にオメガ6とオメガ3の比率が3:1程度と人体に最適な比率を持っています。
また、GLA(ガンマリノレン酸)を含むことが特徴的です。
一方、亜麻仁油は亜麻の種子から抽出され、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が非常に豊富です。
オメガ6とオメガ3の比率は1:4程度で、オメガ3が多いのが特徴ですが、GLAは含まれていません。
比較項目 |
ヘンプシードオイル |
亜麻仁油 |
原料 |
大麻の種子 |
亜麻の種子 |
オメガ6:オメガ3比率 |
約3:1 |
約1:4 |
GLA含有 |
あり |
なし |
特徴的な成分 |
ビタミンE、ミネラル、タンパク質 |
リグナン(植物性エストロゲン) |
酸化しやすさ |
やや酸化しやすい |
非常に酸化しやすい |
保存期間 |
開封後3ヶ月程度 |
開封後1-2ヶ月程度 |
主な用途 |
食用、美容、健康管理 |
主に食用 |
味・香り |
ナッティで穏やか |
強い草のような香り |
ヘンプシード好きを公言している芸能人やモデル
近年、健康や美容に高い関心を持つ芸能人やモデルの間で、ヘンプシードへの注目が集まっており、ヘンプシード好きを公言している方々も多くいるのをご存じでしょうか?
女優の藤原紀香さんは、自身のブログやSNSで健康的なライフスタイルについて発信しており、ヘンプシードを取り入れた食事やレシピを紹介。
美しさの秘訣の一つとして、日常的にヘンプシードを摂取していることを公表しています。
https://hochi.news/articles/20231110-OHT1T51112.html?page=1
https://ameblo.jp/norika-fujiwara628/entry-12016302556.html
モデルの道端アンジェリカさんは、美容と健康管理に欠かせないアイテムとしてヘンプシードを愛用。
特にヘンプシードオイルの摂取や、ヘンプシードをサラダに載せた料理などをSNSで度々発信しています。
https://www.instagram.com/angelica_michibata/p/BayBX2onMz6/
また、モデル・タレントのRICAKOさんは、ビーガン食やオーガニック食材に造詣が深く、その中でもヘンプシードを重要な栄養源として推奨。
自身のインスタグラムでは、ヘンプシードを使用したヘルシーレシピを定期的にシェアし、その魅力を伝えています。
ヘンプシードオイル:栄養面での効果
ヘンプシードオイルには栄養面での効果が複数あることで知られています。
- 必須脂肪酸(オメガ3、オメガ6)が理想的なバランスで含まれている
- ビタミンE、ビタミンB1、B2などのビタミン類が豊富
- マグネシウム、亜鉛、鉄分などのミネラルが含まれている
- 良質なタンパク質源となる
ヘンプシードはタンパク質(必須アミノ酸、非必須アミノ酸)、必須脂肪酸(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸)、ミネラル、食物繊維など、現代の食生活で不足しやすい栄養素をバランスよく含んでいます。
ヘンプシード100g当たりの栄養価は以下のようになります。
- カロリー:463kcal
- タンパク質:29.5g
- 飽和脂肪酸:2.91g
- 一価不飽和脂肪酸(オメガ9脂肪酸):3.45g
- 多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸):19.35g
- 食物繊維:22.7g
- カリウム:340mg
- カルシウム:130mg
- マグネシウム:390mg
- 鉄:13.1mg
- 亜鉛:6.0mg
- 銅:1.32mg
必須脂肪酸(オメガ3、オメガ6)が理想的なバランスで含まれている
必須脂肪酸は、生命維持に不可欠な栄養素でありながら、体内で合成できない脂肪酸として食事から摂取する必要があることが知られています。
魚類(特に青魚)やナッツ類に多く含まれる必須脂肪酸がヘンプシードオイルには多く含まれています。
現代の食生活では、必須脂肪酸の成分の1つであるオメガ6が過多になりがちですが、脳の発達と機能維持に重要であり、心血管系の健康をサポートするオメガ3もヘンプシードオイルには多く含まれています。
ビタミンE、ビタミンB1、B2などのビタミン類が豊富
ヘンプシードオイルには、ビタミン類が豊富に含まれており、特にビタミンEに関しては1日の推奨摂取量の約90%が含まれています。
また、様々な効果のあるビタミンB群も多く含まれています。
- B1:神経伝達物質の合成に関与
- B2:エネルギー産生に必須
- B6:タンパク質代謝を促進
- 葉酸:DNA合成と修復に重要
マグネシウム、亜鉛、鉄分などのミネラルが含まれている
ヘンプシードオイルには、豊富なミネラル成分が含まれており、特に重要なのが、マグネシウム、亜鉛、鉄分です。
神経系の安定化や筋肉のリラックス効果、さらには骨の形成維持にも重要な役割を果たすマグネシウムは100gあたり約700mgも含まれており、これは1日推奨量の約45%に相当します。
亜鉛は100gあたり約9mg含まれており、免疫力の強化や皮膚の健康維持に貢献します。
特に、植物性の亜鉛源としては高い吸収率を誇り、オイルでの摂取により効率的に体内に取り入れることができます。
鉄分については、100gあたり約14mg含まれており、非ヘム鉄として存在します。
ビタミンCと併用することで吸収率が向上し、貧血予防や酸素運搬能力の向上、エネルギー産生に寄与します。
良質なタンパク質源となる
ヘンプシードオイルの栄養面の効果として最も注目したいのは、タンパク質が多く含まれている点。
100gあたり約30gものタンパク質を含有し、その質も非常に高いことが特徴です。
含まれるタンパク質には、アルブミン、グロブリン、エデスチンなどがあり、これらは消化吸収率が高いことで知られています。
これらのタンパク質は、筋肉の維持と修復、基礎代謝の向上、体脂肪の減少など、様々な効果をもたらします。
また、肌の弾力維持や爪、髪の健康維持にも貢献します。
ヘンプシードオイル:健康面での効果
ヘンプシードオイルには健康面での効果が複数あることで知られています。
- 抗炎症作用がある
- コレステロール値の改善に寄与
- 免疫システムの強化
抗炎症作用がある
ヘンプシードオイルの抗炎症作用は、主にGLA(ガンマリノレン酸)とオメガ3脂肪酸の働きによるものです。
GLAは体内で抗炎症性プロスタグランジンに変換され、慢性的な炎症を抑制します。
また、理想的な比率で含まれるオメガ3とオメガ6脂肪酸が、炎症性物質の産生を抑制し、体内の炎症バランスを整えます。
さらに、関節周囲の炎症を抑制し、疼痛物質の産生を抑えることで、腫れの軽減をサポートするなど関節の痛みの緩和効果もあることが知られています。
コレステロール値の改善に寄与
ヘンプシードオイルに含まれる不飽和脂肪酸は、コレステロール値の改善に大きく貢献します。特に、以下の3つの作用が確認されています。
- HDL(善玉コレステロール)の増加を促進
- LDL(悪玉コレステロール)の減少をサポート
- 中性脂肪値の低下を助ける
これらの効果は、心血管系の健康維持に重要な役割を果たします。
また、血管壁の弾力性を保つことで、動脈硬化の予防にも寄与します。
免疫システムの強化
免疫システムの強化効果は、複数の成分が相乗的に作用することで実現されます:
- GLA及びオメガ3脂肪酸による炎症調節作用
- 抗酸化物質による免疫細胞の保護
- 亜鉛などのミネラルによる免疫細胞の機能強化
- タンパク質による抗体産生のサポート
これらの作用により、白血球の機能が向上し、病原体への抵抗力が高まります。
また、過剰な免疫反応を抑制する効果もあり、アレルギー症状の緩和にも効果的です。
ヘンプシードオイル:美容面での効果
ヘンプシードオイルには美容面でも効果が複数あることで知られています。
- 肌のバリア機能を強化
- 乾燥肌の改善
- にきびや吹き出物の予防に効果的
- 髪のツヤと健康を改善
肌のバリア機能を強化
肌のバリア機能強化は、ヘンプシードオイルに含まれる複数の成分が相乗的に作用して実現されます。
必須脂肪酸(オメガ3、6)が細胞膜を強化し、セラミドの産生を促進することで、肌の防御機能を高めます。
具体的な作用
- 細胞間脂質の補強による水分保持力の向上
- 外部刺激からの保護機能の強化
- 皮膚の新陳代謝促進
- 肌本来の保湿機能の向上
- 肌のバランス(pH)を整える
乾燥肌の改善
乾燥肌の改善効果は、このオイルの優れた保湿力と皮膚再生促進効果によってもたらされます。
必須脂肪酸が角質層をしっかりと保湿し、水分蒸発を防ぐ保護膜の形成と同時に、皮脂バランスを正常化し、細胞の再生を促進することで肌のターンオーバーを正常化します。
コラーゲン生成も促進されるため、継続的な使用により、しっとりとした健康的な肌へと改善されていきます。
主な作用とメカニズム
- 深い保湿効果
- 必須脂肪酸による角質層の保湿
- 水分蒸発を防ぐ保護膜の形成
- 皮脂バランスの正常化
- 皮膚再生のサポート
- 細胞の再生を促進
- 肌のターンオーバーを正常化
- コラーゲン生成の促進
- 長期的な改善効果
- 継続的な使用による肌質の改善
- 乾燥による肌荒れの予防
- しっとりとした健康的な肌へ
にきびや吹き出物の予防に効果的
にきびや吹き出物の予防に関しては、複数の効果が確認されています。
まず、過剰な皮脂分泌を抑制し、適度な油分バランスを維持することで、毛穴の詰まりを予防します。
また、抗炎症作用により、にきびの炎症を抑制し、赤みや痒みを緩和します。
さらに、抗菌効果によってにきびの原因菌の増殖を抑制し、肌環境を正常化する働きもあります。
にきびや吹き出物の予防に効果的とされるメカニズム
- 皮脂分泌の正常化
- 過剰な皮脂分泌の抑制
- 適度な油分バランスの維持
- 毛穴の詰まり予防
- 抗炎症作用
- にきびの炎症を抑制
- 赤みの軽減
- 痒みの緩和
- 抗菌効果
- にきびの原因菌の増殖抑制
- 清浄作用
- 肌環境の正常化
髪のツヤと健康を改善
髪のツヤと健康の改善については、毛髪の構造強化から頭皮環境の改善まで、幅広い効果が期待できます。
キューティクルを保護し、髪のコシとハリを向上させることで、枝毛や切れ毛を予防します。
また、頭皮の血行を促進し、保湿効果によってフケやかゆみも軽減します。
さらに、毛根を活性化し、髪の成長サイクルを正常化することで、健康的な髪の育成をサポートします。
1.毛髪の構造強化
- キューティクルの保護
- 髪のコシとハリの向上
- 枝毛・切れ毛の予防
2.頭皮環境の改善
- 血行促進
- 頭皮の保湿
- フケ・かゆみの軽減
3.髪の成長促進
- 毛根の活性化
- 髪の成長サイクルの正常化
- 栄養補給による健康的な髪の育成
肌に塗るのは?ヘンプシードオイルおすすめの使い方!
ヘンプシードオイルのおすすめの使い方として、今回は3つ紹介します。
1.そのまま飲むことで摂取
2.肌に塗る
3.髪に塗る
1.そのまま飲むことで摂取
ヘンプシードオイルおすすめの使い方として、まずはそのまま飲んでその効果を実感してもらうやり方がおすすめです。
基本的な摂取方法として、1日の推奨量は大さじ1-2杯(15-30ml)にし、常温のまま摂取しましょう。
サラダのドレッシングとしてや、スムージーに加えるなどのアレンジを加え、朝一番の空腹時がおすすめです。
注意点として、加熱は避けましょう(栄養価が損なわれるため)。
また、開封後は冷蔵保存をし、3ヶ月以内での使用を推奨しています。
2.肌に塗る
ヘンプシードオイルを肌に塗る使い方は、多くの方が実践しておりおすすめです。
まず、基本的な使用方法としては、クレンジング後の清潔な肌に使用することが重要です。
使用する際は、少量のオイルを手のひらで軽く温めてから肌に塗布します。塗布後は、優しくマッサージするように肌に馴染ませていきます。
効果的な使用タイミングは、朝と夜のスキンケアの際です。
それぞれ朝と夜、使用タイミングを分けて解説します。
時間帯 |
使用タイミング |
使用方法 |
期待される効果 |
朝 |
化粧水の前 |
軽く塗布 |
肌の保湿力向上 |
朝 |
メイク前 |
少量を下地として使用 |
日中の保湿持続 |
夜 |
入浴直後 |
全体的に塗布 |
保湿効果の促進 |
夜 |
スキンケア時 |
気になる部分に重ね付け |
集中的な肌ケア |
夜 |
就寝前 |
スリーピングオイルとして使用 |
夜間の集中的な肌の修復 |
特に効果的な使用部位としては、乾燥が気になる部分や小じわが気になる箇所です。
また、にきびができやすい場所や肌荒れしている部分にも効果的です。
オイルの抗炎症作用と保湿効果により、肌トラブルの改善が期待できます。
ただし、使用する際はいくつかの注意点があり、初めて使用する場合は、必ずパッチテストを行い、肌との相性を確認することが大切です。
また、べたつきを防ぐため、適量を守ることも重要です。肌の状態に応じて使用量を調整し、様子を見ながら使用することをおすすめします。
3.髪に塗る
ヘンプシードオイルは髪のケアにおいて、効果があると海外で注目されており、その中でも大きく分けて3つの使用方法があります。
参考:https://littlegreendot.com/hemp-argan-oil-hair-treatment/
主に3つのタイミングでの使用方法があり、それぞれの特徴と効果を活かした使い方ができます。
- シャンプー前のプレトリートメント
シャンプーの前に髪全体に塗布し、10-15分ほど時間を置いてからシャンプーを行います。特に傷みの気になる部分には重点的に塗布することがポイントです。
- シャンプー後のアウトバストリートメント
シャンプー後、タオルで軽く水気を取った髪に使用します。このタイミングでは、特に毛先を中心に塗布していきます。
- 就寝前のナイトケア
夜のケアとして最適な使用方法です。就寝前にヘアオイルとして使用し、頭皮のマッサージも行うことで、リラックス効果も得られます。
夜間の集中ケアとして、髪と頭皮の両方をケアすることができます。
それぞれの特徴や期待される効果について表でまとめます。
使用タイミング |
使用方法 |
置き時間 |
重点ケア部分 |
期待される効果 |
シャンプー前 |
プレトリートメント |
10-15分 |
傷んだ部分 |
深部への浸透、保護 |
洗髪後 |
アウトバストリートメント |
- |
毛先 |
スタイリング、保湿 |
就寝前 |
ナイトケア |
一晩中 |
頭皮、全体 |
集中ケア、頭皮環境改善 |
また、ヘンプシードオイルの使用量の目安を髪の長さに分けて表でわかりやすく紹介します。
髪の長さ |
推奨使用量 |
塗布の順序 |
ショート |
2-3滴 |
毛先→全体 |
ミディアム |
4-5滴 |
毛先→中間→根元 |
ロング |
6-8滴 |
毛先→中間→根元 |
べたつきが気になる場合は少量から開始し、頭皮への使用は優しく行うことを心がけてください。
まとめ
今回は、スーパーフードとして芸能人やモデルからも愛されているヘンプシードオイルの効果やおすすめの使い方について解説しました。
栄養面だけでなく、健康や美容にも効果のあるヘンプシードオイルをぜひみなさんも活用してみてください。